はじめに
 この冊子は、精神障がいがある方が地域で働きながら暮らしていくための手助けになればという願いを込めてつくられました。
 「精神障がい者は働ける」「支援があれば働ける」という理解は広がりはじめています。支援をするための制度や支援をする人も増えてきています。
 でも、どんな一歩を踏み出して仕事を探すのだろう、また誰に相談すればいいのだろうなど、必要な人に必要な情報が届いていないかもしれません。また、ただ仕事をしたいという気持だけでは無理がある場合もあるかもしれません。生活を安定させて、仕事にあった訓練を受け、必要な支えを得ることが必要な場合もあります。
 この冊子では、大分県内で相談できるところ、支えを受けられるところ、利用できるさまざまな制度を掲載しました。障害者自立支援法によって制度が変わったことによって、福祉施設のあり方も次々に変わっているため、変更があるかも知れませんが、現時点(2008年2月)ではこれが最新の資料です。
 事業所の人たちは、皆さんの相談や利用を待っています。積極的に活用していただきたいと思います。
 この冊子をつくるにあたっては、多くの方々にご協力をいただきました。たくさんの資料を提供していただき、アドバイスや校正なども行っていただきました。各施設の方々にはアンケートにもお答えいただき、正確な最新の情報をいただきました。心から感謝を申し上げますとともに、お寄せいただいた資料を誌面の都合で十分に掲載できなかったことをお詫びいたします。
 また、この冊子は独立行政法人福祉・医療機構の助成を受けて、民間団体である「大分精神障害者就労推進ネットワーク」が作成しました。精神障がい者・家族、福祉・保健・医療関係者、企業関係者、研究者等に行政も加わって意見交換をしながら、全国各地の取り組みも参考にして、大分県における就労推進の取り組みを考えてきました。その中から明らかになってきた方向(大分モデル)は「地域のネットワークづくり」です。
 各地ですでに取り組みは始まっています。皆さんも、地域で暮らしたい、そして地域で働きたいという願いを実現させてください。そのためにこの冊子を活用していただければ、私たちにとってこの上ない喜びです。