第一回 厚生連鶴見病院精神科デイケア
 病院訪問の第1回目は、厚生連鶴見病院精神科デイケアで取り組まれている「就労支援プログラム」を取材しました。


4年目迎えた就労支援プログラム
 鶴見病院デイケアは、現在登録者が53名で、1日平均30名程度のメンバーが利用しているそうです。「就労支援プログラム」は平成15年度より導入し、今年度は、2回実施しています。
 プログラムの目的は、「@就労に対する目標を明らかにする A仕事への具体的なイメージが持てるようになる」と設定され、就労を希望するデイケアメンバーを対象に、1回90分(計16回)のプログラムを、デイケア内で実施しています。
 このプログラム導入のきっかけとなったのは、平成14年当時実施していた情報提供プログラム「講話」で、院内の専門職が栄養指導や服薬管理を実施していたのに加え、新たに障害者職業センター職員より就労支援について実施したところ、受講者より就労支援を望む声が大きかったため導入を検討、平成15年度より導入を開始したそうです。



「心理教育」取り入れ成果
   導入当初は、就労に関心がある希望者に、プログラムを受講してもらうといった方法を取っていたため、プログラムの中で、服薬や病気の問題に触れ、調子を崩す受講者が複数見られたそうです。そこで、昨年度からは、心理教育プログラムを受講した後に就労支援プログラムを受講するように変更したところ、途中リタイヤする受講者が減ったそうです。
 心理教育プログラムは、「病気のことを正しく理解し、対処の方法を話し合いながら、再発を予防する」ことを目的として、「@病気の原因と正しい理解 A病気の経過と対処について B病気の理解について(薬物療法、副作用、精神療法など) C地域生活や社会資源」を内容に計12回実施しています。
 また、地域障害者職業センターが行なっているワークトレーニング室を利用した体験実習で、箱折り、ピッキング作業なども体験できるようにしているそうです。



2名が就労。求職活動中も
 前回実施したプログラムには、5名のメンバーが参加し、2名が就労に結びつき、1名が現在求職活動中という成果も現れています。
 今回、インタビューに応じていただいた担当者の三好さん(PSW)のお話のなかで、「デイケア内でのサービスメニューと地域の社会資源をミックスアップすることにより効果的な就労支援プログラムが提供できた。地域資源と連携が不可欠である」といった言葉が印象的でした。 (報告:三城大介)