障害者相談支援事業所「ルポーズ」(宇佐市)
施設の垣根を越えた活動 ― 行政も積極的に関わって
 宇佐市にある社会福祉法人清流会 障害者相談支援事業所「ルポーズ」を紹介します。「ルポーズ」はフランス語で休息を意味する言葉で、 昨年10月に併設する地域生活支援センター「そよかぜ」とともに開所したそうです。

 


ルポーズの意味は休息
 「ルポーズ」は、その名の通り、近隣に暮らす障害を持った方々に憩いの場を提供することを目的に設置されたそうです。現在常勤2名と非常勤1名のスタッフが配置され、ここを利用する利用者とスタッフが連携して運営しているそうです。毎週土曜日は当事者スタッフがボランティアで施設運営に参加し、施設の利用状況は、1日平均20名以上になるそうです。 私が取材にうかがったのは、雨の降る年の瀬の土曜日で、しかも午前中の早い時間だったのですが、もうすでに10名以上の利用者が集まり、昼食のカレー作りの段取りをスタッフと相談していました。利用者のお一人が、「お昼ご飯はどうされます?」と、取材している私の昼食にも気を配ってくれました。わずか一時間程度の取材時間でしたが、利用している方々が、ここで過ごす時間を楽しみ、和やかにすごしている雰囲気が伝わってきました。  また、来年度4月からは、当事者2名をルポーズのスタッフ(パート雇用)として採用し、施設内で当事者グループによるピア・カウンセリングなどの自助活動も展開してゆく予定にしているそうです。


生活を支える「そよかぜ」
 地域生活支援センター「そよかぜ」は、24時間体制で、地域に暮らす当事者の方々の生活相談にあたっています。開所以来、毎月400件近い相談を受けているということでした。 電話による相談が最も多く毎月300件以上になるほか、窓口相談も毎月80件近くあるそうです。また、訪問支援も毎月60件ほど実施しているそうです。



施設の垣根を越えた活動
 今回の取材で、「ルポーズ」「そよかぜ」ともに開所して半年足らずの施設が、利用する方々に受け入れられていると感じました。「ルポーズ」の利用者数や、 「そよかぜ」が受け付ける相談件数がそれをものがたっているといえます。それには、行政(宇佐市)が積極的に、地域で当事者を支える為の拠点作りに関わってきたことや、 訪問支援を実施して当事者のニーズを吸い上げてきたこと、地域内の援助者が定期的な勉強会を開き援助者間のネットワークを作ってきたことなどが挙げられるでしょう。 この活動の中心的存在である宇佐市役所の内尾さんが、取材中に「施設の垣根を越えた活動が必要なんだ。」といった言葉が印象的でした。 行政が積極的に関わった地域支援モデルのあり方の一つといえるでしょう。